Maternal gaze to the infant face: Effects of infant age and facial configuration during mother-infant engagement in the first nine weeks.


De Pascalis, L., Kkeli, N., Chakrabarti, B., Dalton, L., Vaillancourt, K., Rayson, H. & Murray, L. (2017)

Infant Behavior and Development, 46, 91-99.


要約

 大人の視線は発達初期の乳児において重要な役割を持ち、乳児は視線に対してセンシティブである。しかし、大人が乳児とインタラクションするときにどのように視線を動かしているかはあまり知られていない。アイトラッキング手法を用いて、本研究では、実際のインタラクション中に親が子どもの発達や顔の形状に合わせて乳児の顔をどのように見ているかを検討した。母子30ペア(10ペアの乳児は口唇裂児)のインタラクション中の視線をTobii Glassを用いて計測した。生後1, 3, 5, 7, 9週目に実験者が自宅に訪ねて計測した。年齢・グループに関係なく母親の視線は、乳児の目に対して向けられていたが、生後6週から口への注視が増加していた。また、口唇裂児に対しては、口への注視が減少していた。この結果から、母親の視線行動が子どもの発達に合わせて変わることが示唆された。また、口唇裂児に対する口への注視の減少が、子どもに対する母親の反応性に影響している可能性もあり、口唇裂児の母親をサポートする新しい方法にもつながるだろう。