Young children seek out biased information about social groups.
幼児は社会集団に関する偏った情報を探し出す

Over, H., Eggleston, A., Bell, J., & Dunham, Y. (in press).

Developmental Science.


要約

 偏見の起源を理解するためには幼児がどのように社会集団に対する偏った表象を構築するかを明らかにすることが必要である。そこで我々は幼児が初期の集団間バイアスを支持し、また拡張するような情報を積極的に探し出すかどうかを検討する。実験1と2では、内集団に関するネガティブな情報を含む情報と他集団に関するポジティブな情報を含む話よりも内集団に関するポジティブな情報を含む情報と他集団に関するネガティブな情報を含む話を聞くことを幼児が選択することを示す。実験3では、幼児が偏った情報を他者に呈示すること、すなわち、情報選択の影響が社会的ネットワークを通して広まり始めうることを示す。実験4と5では、さらに、幼児の選択的な情報希求の本質を検討し、幼児は内集団に好意的な情報を、他の偏った情報やバランスのとれた偏りのない情報よりも好むことを示す。以上より、本研究は幼児が単なる社会的情報の受動的な受け取り手ではなく、集団間の態度を創造し、また、伝達する積極的な役割を果たすことを示す。