Who’s in the Mirror?
Self-other discrimination in specular images by four- and nine-month-old infants
Rochat, P. & Striano T. (2002)
Child Development, 73, 35-46

要約

この研究は、乳児期の自己と他者の区別において、初期の決定要素とはなにかについて調べたものである。自分自身あるいは自分を真似ている他者(実験者)の生映像を96名の4ヶ月児および9ヶ月児に提示した。使用した反射映像は、随伴映像(オンライン)あるいは2秒の遅延のある随伴映像であった。第一のプレゼンテーションは1分間で、その後、自分自身あるいは他者の映像を1分間静止(still-face期間)した。次に、最後のプレゼンテーションとして、生映像を1分間提示した。4ヶ月から、乳児は自分自身あるいは自分を真似ている他者の映像を見たときに、それを知覚し、異なった行動を示しているようであった。総合的に見て、乳児は、自分自身の映像よりも自分を真似ている他者の映像に対してより笑顔を示し、相手をよく見、最初に映像を見た時間が長い傾向にあった。発達的に見ると、9ヶ月児はstill-face期間中に、自分自身の映像より、自分を真似ている他者に対して社会的なイニシアティブを示した。これらの結果から、反射映像における自己と他者の区別は、自己胸像認知よりはるかに前に発達していることが分かった。自己と他者の区別は、前段階の能力であり、後の自己発達概念の知覚的な基礎と解釈することができる。