Experiential Influences on Multimodal Perception of Emotion
Shackman, J.E. & Pollak, S.D.(2005)
Child Development, 75, 1116- 1126

要約

2種類の学習経験によって、子どもが、さまざまな知覚的手がかりから感情を読み取る際に、注意を向ける知覚手がかりが異なるかが検討された。対象児(7?12歳)は、感情が一致しない表情と音声を呈示された。さらに、対象児がよく知っている大人とそうでない大人に感情を表出してもらうことで、親しさが手がかりの読み取りに影響を及ぼすかが検証された。また、身体的に虐待された子どもと典型的な子どもの成績を比較することで、特定の感情表現に対する感受性を検証した。対象児は、自分たちの母親の発する声に対して選好を示したが、そうでない大人に対してはそのような選好は見られなかった。さらに、虐待された子どもは、母親が怒り声をより感情判断の手がかりする傾向があった。これらの結果から、典型的、また非典型的な初期の経験が感情知覚に対して影響を及ぼすことが示唆された。