Change in children’s understanding of others’intentional actions
Bellagamba, F., Camaioni, L., & Colonnesi, C. (2006).
Developmental Science 9, 182- 188.


要約

本研究は、子どもの意図理解を縦断的研究によって調べたものである。32人のイタリア人の子どもを対象とし、Meltzoff (1995a) によって考案された再上演(re-enactment)パラダイムである「意図のデモンストレーション」を縦断で2回行った。第一セッション時の子どもの平均月齢は12ヶ月、第2セッション時の子どもの平均月齢は15ヶ月であった。Meltzoff の先行研究では、18ヶ月児は、大人が意図をもってやろうとしたあるターゲット行為に失敗する、という行為を再生することができた。Bellagamba and Tomasello (1999)は、18ヶ月児に比べて、12ヶ月児は失敗の目標指向行為の模倣ができにくいことを示唆した。本研究には、2つの目的があった。第一の目的は、12ヶ月児と15ヶ月児の意図理解という先行研究の調査結果を縦断的研究によって検討することであった。第二の目的は、ターゲット行動を行わなかったとき、子どもがどのような行為を行うかについて分析することであった。コーディング・スキーマはそれらの非ターゲット行為を評価するために工夫したものであった。結果は、年令の高い子どもほど、ターゲット行為を生産するという、先行研究の調査結果を確認するものであった。年令が低い時に、子どもがもっともよく示した反応は、対象ターゲットの「無差別操作」であった。次によく示した反応は、「ターゲット行為に近似したもの」であった。第一セッションで子どもによって意図理解行為が違ったことから、我々はこれら個人差が第二セッションにおいても継続するかどうかについて調べた。高い意図理解行為を12ヶ月の時点で示した子どもは、15ヶ月の時点でも同様の傾向を示した