Names in frames: infants interpret words in sentence frames faster than words in isolation.
Fernald, A. & Hurtado, N. (2006)
Developmental Science, 9 (3), F33-F40.


要約

子どもに向けられた発話(child-directed speech ,CDS)の中では、大人はしばしば、とても少ない単語数の発話というのを用いる。これらの多くは、短い、決まり文句のような文であるが、単語のみの発話というのも時には用いられる。このようなCDSの特徴というのは、子どもにとって何か知覚的な利点があるのだろうか?親の発話分析の結果を元に、ある研究者たちは、単語のみの発話というのは、segmentation(単語と単語を区切る)を容易にするために、乳児の単語認識を助けるはずであると主張している。一方で、別の研究者たちは、このような利点はないと予測している。この問題への直接的なアプローチとして、我々は、見ると聞くを同時に行う手続きを使用し、発話の処理をオンラインで測定した。2つの実験で、18ヶ月の乳児は、よく知っているものの名前を、その単語のみか、文の中に埋め込まれた状態かで提示された。乳児は、単語のみが提示された場合の方が、よく知っているような文の中にその単語が埋め込まれている場合と比べ、その単語の認識が120ms 遅かった。このことは、単語の前にある文が、単語の認識を容易にしたということを示唆している。よく知っているような文は、乳児が、その文の最後にあるターゲットとなる単語に対して、より効率的に、”listen ahead” するのを可能にしているのかも知れない。