Experience in early infancy is indispensable for color perception.
Sugita, Y. (2004)
Current Biology, 14, 1267- 1271.


要約

初期の視覚経験は、発達における皮質回路の形成に不可欠である。例えば、乳児期に単眼を失うと、失われた眼の視覚皮質における視覚駆動型活動が不可逆的に低下したり、両眼奥行き知覚が欠損したりする。初期経験が色知覚においても必要であるかどうかが検討された。サルの乳児が約一年間、照明が単色光からのみ発せられる部屋で育てられた。長期にわたる訓練の後に、彼らは色のマッチングをすることができた。しかし、彼らの色の類似性の判断は、標準の動物とは異なった。 さらに、彼らの色の恒常性もかなり欠損していた。彼らの色知覚はかなり波長優位であり、波長の配合の変化を補うことができなかった。これらの結果は、初期の視覚経験が標準の色知覚にも不可欠であることを示唆している。