How our hands help us learn.
(学習過程において、私たちの手が果たす重要な役割)
Goldin-Meadow, S. & Wagner, S. M. (2005).
Trends in Cognitive Sciences, 9, 234-241.


要約

人々は話しをしているときはいつも身振りもしており、そしてそれらはしばしば自分たちが言葉で述べていない考えを表している。この意味で、身振りと、身振りに伴った発言は一致していないといえる。身振りと発話の不一致が見られるのは、学習者がある課題において上達する寸前、つまり習得する準備段階にいるときである。さらに、このような移行期の学習者に特徴的な心的プロセスに対して、不一致は見識を与える。身振りは、単なる手振りではない。つまり、それは、私たちがどのように思考するのかを表している。しかし、身振りは私たちの思考を表現する以上のものであり、さらに、私たちの思考を変えるほどの影響力を持つことを示す根拠がますます得られてきている。私たちは、身振りが学習の進行を変える2つの方法 について検討する。ひとつは、間接的に学習者の環境に働きかける方法であり、もうひとつは、直接的に学習者自身に対して働きかける方法である。