The interplay between perceptual organization and categorization in the representation of complex visual patterns by young infants.
(乳児が複雑な視覚パターンの表象する際の知覚的体制化とカテゴリー化の相互作用)
Quinn, P.C., Schyns, P.G. & Goldstone, R.L. (2006).
Journal of Experimental Child Psychology, 95, 117-127.


要約

3-4ヶ月の赤ちゃんを対象に、知覚的体制化とカテゴリー化のプロセスの関連を検討した。カテゴリー学習中に抽象される不変箇所が、ゲシュタルトの体制化のプロセスに干渉するかを問うた。Quinn & Schyns (2003)の研究において、乳児は、1回目のカテゴリー慣化段階で、パックマン形と複雑な多角図形からなる視覚パターンを提示された。この経験が、続いて円と多角図形からなる視覚パターンを提示された際に、よい連続の要因に基づいて円を抽象することを阻害した。しかし、この結果は、不干渉説(1回目のパックマン形を抽象する慣化経験が、続く慣化段階の処理に影響せず、2回目の慣化段階において円を抽象したという可能性(訳者))による説明も可能であった。というのは、パックマン形の提示頻度および時間が円のそれよりも多かったためである。本研究では、Quinn & Schyns (2003)の手続きを引き継いだが、パックマン形を提示する1回目の慣化段階と、続く円を提示する慣化段階の試行数および提示時間を等しくした。結果は、Quinn & Schyns (2003)の結果を再現した。このデータは、干渉説(1回目の慣化経験が、続く慣化段階の処理に影響する(訳者))を支持し、柔軟な特徴抽出の認知システムが、知覚システムにすでに備わった体制化の原理に優先することを示唆する。