Social interaction shapes babbling: Testing parallels between birdsong and speech
Michael H. Goldstein, Andrew P. King, and Meredith J. West (2003)
Proceedings of the National Academy of Sciences. 100:8030-8035


要約

さえずりは、人間の発話行動および発話に関する神経の発達のモデルと考えられる。しかし、この相似について直接的に検証した研究はほとんどない。そこで私たちは、鳴鳥で報告されている社会的形成social shaping と選択的学習プロセスの知見に基づいて、人間の乳児における音声的な発達のメカニズムを検証した。8ヶ月児の発声行動に対する母親の反応を操作する事により、バブリングの音声特徴が模倣的でない社会的刺激に敏感であることを示した。随伴的な養育行動は、より複雑で成熟した発声行動を促し、随伴的でない場合はそうではなかった。声の変化は、操作の終了後も持続した。データから、人の乳児は社会的フィードバックを受け、即座に発声行動を転換することがわかった。社会的インタラクションは、より発達した音への急速なシフトを生じさせる。これらの転換は通常の発話発達を投影しており、鳥類の社会的形成モデルを予期させる。これらのデータは、鳴鳥と乳児との前段階的な発声が、類似の作用をもっているという考えを強く支持する。模倣は従来、両方の種において、発声学習のためのプロセスと考えられている。そこで、この発見は社会的形成を、発話と歌の発達の背後に共通するプロセスとして示すものである。