The effect of bilingualism on theory of mind development
Peggy J. Goetz (2003)
Bilingualism; Language and Cognition 6, 1-15



要約

この調査では、ひとつの言語を話す人、あるいはバイリンガルとして個々人の言語知識が「こころの理論」の発達に関連しているかどうか を調べた。3歳〜4歳の英語のみを話す子ども、中国語(マンダリン)のみを話す子ども、中国語と英語を話すバイリンガルの子どもは、本 当と嘘課題、レベル2視点取得課題、誤信念課題を受けた。すべての子どもは、それぞれの課題を2回、1週間の間をあけてテストを受けた。 バイリンガルの子どもは、ふたつの言語それぞれで1回ずつテストされた。各群の4歳児は、それぞれに対応する3歳児群よりも成績が良かっ た。モノリンガルの子どもたちは、どちらの群も類似した成績を示した。2回の課題の成績を別々に分析し、2度目のほうが成績が良い傾向 にあったが、バイリンガルの子どもの成績は、モノリンガルの子どもよりも良かった。これらのバイリンガルの子どものアドバンテージの 証拠に関する説明として、抑制能力とメタ言語理解、対話者との社会言語インタラクションに対する感受性が高いことが挙げられる。