Forced-choice: Are forensic interviewers asking the right questions?
Peterson C. and Grant M. (2001)
Canadian Journal of Behavioral Science 33, 118-127



要約

勧告があるにも関わらず、法廷におけるインタビューでは、強制選択質問――特に「はい/いいえ」質問や多項選択質問などが用いられて いる。本研究では、年長と年少の就学前児の「はい/いいえ」質問と多項選択質問の反応を比較した。「はい/いいえ」質問では、半分の 質問の正答は「はい」であり、残り半分の質問の正答は「いいえ」であった。2選択の多項選択質問では、全体の1/3が最初のオプションが 正答、1/3が二番目のオプションが正答、1/3がどちらのオプションも正答ではなかった。参加児のうち半分の子どもは「分からない」と 言ってよいことを教示された。年長群と年少群の就学前児は、「はい/いいえ」質問に「はい」と答える反応バイアスを示した。しかし多 項選択質問には反応バイアスは示さず、2つのうちどちらかのオプションを同じぐらい選択した。どちらのオプションも正答でない場合は、 参加児、とくに年少群の就学前児は「分からない」と答えることが多かった。「分からない」という反応は、「はい/いいえ」質問ではほ とんど見られなかった。さらに、「分からない」と言っても良いという教示は効果を持たなかった。これらの結果は、法廷でのインタビュ ーにいくつかの含意を示した。それは、「はい/いいえ」質問に対する反応は、多項選択質問に比べて、信頼性の低く、またこの反応から 得た情報は、疑わしいということである。