Do you believe in magic? Infants’ social looking during violations of expectations
Walden, T., Kim G., McCoy, C. & Karrass, J. (2007).
Developmantal Science, 10, 654-663.



要約

幼い赤ちゃんは期待した通りの結果をもたらす物理事象よりも、期待しなかった結果をもたらす事象を長く注視する傾向があり、このこと は赤ちゃんが算数(numerosity)や遮蔽(occlusion)といった物理原則に関する知識を持っていることを示唆する(Baillargeon & Grabe r, 1987; Wymm, 1992)。赤ちゃんは養育者がいる元でテストを受けるのが一般的であるが、期待違反法の社会的要素はあまり注目されてこ なかった。本研究では、期待したとおりの、または期待とは異なった認知/知覚事象中の社会的注視を調査した。6ヶ月(実験1・2)と9ヶ 月(実験1)の赤ちゃんを対象に、足し算/引き算と遮蔽に関する物理的知識を調べる有名な実験を2つ行ったが、どちらの月齢の赤ちゃん も期待したとおりの事象よりも期待しなかった事象を長く注視し、先行研究の結果を再現した。さらに、両月齢児ともに期待した事象中よ り期待しなかった事象中に長く養育者の顔を注視した。これらの結果は、すでに6ヶ月の赤ちゃんが期待とは異なる物理/認知事象の経験を 積極的に社会的文脈の枠内でとらえようとしていることを示唆するものと考えられる。