The Effect of Culture on Perspective Taking
Wu, S. and Keysar, B. (2007).
Psychological Science, 18, 600-606.

要約

ヒトは他者の行動を理解するためにその心的状態を考慮する。我々はそのような視点取得が文化依存的であるかどうかを評価した。集団主義的な文化（例えば、中国）の人々は相互依存的な自己を持つと言われている。一方、個人主義的な文化（例えば、アメリカ合衆国）の人々は、独立的な自己を持つと言われている。文化の影響を評価するために、我々は、中国人とアメリカ人のペアに、視点取得を要求するコミュニケーションゲームを行うように求めた。目の注視の測定によって、中国人の参加者はアメリカ人よりもパートナーの視点に同調していることが示された。更に、アメリカ人は時折完全にパートナーの視点取得に失敗したのに対し、中国人はほとんどそのようなことはなかった。我々は、相互依存的な文化的パターンが他者への注意に焦点を当て、そのことによって中国人がアメリカ人よりもよりよい視点取得者になると結論づける。両文化の成員は自身の視点と他者の視点を区別することができるけれども、文化的なパターンが、中国人に他者の行動を理解するためのこの能力の効果的な使用を提供しているのである。