Attention and inhibition in bilingual children: evidence from the dimensional change card sort task
Bialystok E & Martin MM (2004)
Developmental Science 7: 325-339



要約

先行研究では、バイリンガル就学前児のDCCS課題のアドバンテージは注意の抑制が優れている結果と考えられている(Bialystok, 1999)。し かし、この課題は課題の刺激をコード化し解釈するという難しい表象要求を含むものであるため、バイリンガル児は表象能力が優れている ために利益を得ているのかもしれない。この可能性について、3つの実験で調べた。実験1では、バイリンガル児はモノリンガル児に比べて 、適度な表象要求を含むバージョンの課題では優れていたが、より過酷な条件ではそうではなかった。実験2と3では、バイリンガル児は、 target dimensionが知覚特徴を持つ刺激である場合にはモノリンガル児より優れていたが、これら2グループは、target dimensionが意味論 的な特徴を持つ場合には同等であった。結論は、バイリンガル児は知覚的特長の情報を無視する抑制機能がモノリンガル児より優れている が、表象の能力が優れているわけではなく、先行研究の結果が確認された。これらの結果は、この課題を解く場合における決定的な困難と いう旧式のディスプレイ機能を無視する能力を特定する。