Social interaction shapes babbling: Testing parallels between birdsong and speech
Goldstein MH, King AP & West MJ (2003)
PNAS, 100: 8030-8035



要約

鳥の歌は、行動や神経レベルにおいてヒトの言葉の発達のモデルとして考えられている。しかしながら、提案されている相似を直接的に検 証したものはほとんど存在しない。ここでわれわれは、鳴鳥で最初に実証された選択的な学習過程である、社会的なシェーピングに基づく ヒト乳児における音韻発達のメカニズムを検証する。われわれは、8ヶ月児の音声に対する母親の反応を操作することによって、喃語の音韻 的な特徴が模倣でない社会的な刺激に敏感であることを実証する。随伴的な母親の行動は、より複雑で成熟した音声行動を促進させるが、 随伴的でないものは促進させない。音声の変化は操作の後も持続する。そのデータは、ヒトの乳児が社会的なフィードバックを使用し、音 声行動の即座の変遷を促進させることを示している。社会的な相互作用は、発達的により進んだ音への急速な変換を作り出している。これ らの変遷は言葉の健常発達を反映しており、鳥類の社会的なシェーピングモデルから予測されることを支持している。これらのデータは、 鳴鳥と乳児の発声の前駆体に機能的な類似性があることを強く支持するものである。模倣は通常、両分類群の発声学習のメカニズムとして 考えられているので、本研究の発見は、言葉と歌の発達の基礎をなす一般的な過程として社会的なシェーピングを新たに提出するものであ る。