Sensitivity to communicative relevance tells young children what to imitate
(コミュニケーションの関連性に対する感受性が幼児に何を模倣すべきか教える)
Southgate, V., Chevallier, C., & Csibra, G. (in press).
Developmental Science.



要約

模倣遊びの文脈の中で行動を再現するに当たって、示された行動のどの要素が重要かを子どもはどのように決めるのだろうか?我々は、 デモンストレーションをする人の行動の選択的な模倣が、大人に意図明示的(ostensive)コミュニケーションの解釈を行わせる関連性 を乳児が同じように求めることによって生じているのかどうかを検証した。18ヶ月の乳児の3グループは、おもちゃの動物が飛ぶか滑 るように動くか(行動の様式)しておもちゃの家に入るところ(行動の結果)を見せられたが、行動の様式についてのコミュニケーシ ョンの関連性はグループによって異なった。事前情報無し(no prior information)グループは、デモンストレーションの中の情報全て が新しく、またかなり同程度に関連的であった。しかし、意図明示的事前情報(ostensive prior information)グループの乳児は、後 で起こる行動の結果はメインのデモンストレーションの前にあらかじめ伝達されており、彼らにとってその行動様式はより関連的にな っていた。意図明示的事前情報グループの乳児はその行動様式を事前情報無しグループの乳児よりも多く模倣し、そのことは関連性 の操作が行動のデモンストレーションの解釈に変更を加えたことを示唆する。更に、事前情報によって乳児は行動の結果を犠牲にし てその行動様式を模倣した。もう1つの条件(非意図明示的事前情報(non-ostensive prior information)条件)によって、この新情 報への感受性は「古い」情報が伝達されていた時にのみ存在し、乳児がこの情報を自分で見つけた時には存在しなかったことが確認 された。これらの結果は、大人と同様に、人の乳児がコミュニケーションは関連的な内容を含んだものであると期待しており、彼ら の現在の知識状態やデモン ストレーションを行う人との共通認識に関連して、最も関連的であると見なした行動要素を模倣するということを示している。