You want to know the truth? Then don’t mimic!
(本当のことを知りたいんでしょ、だったらまねしないで)
Stel M, van Dijk E, and Oliver E (in press)
Psychological Science



要約

一般に、まねは、他者が感じていることを理解する能力を促進すると考えられている。本研究では、このことが、まねされている表出行動(顔や行動)が、他者の本当の感情を反映していない時にも言えるのかどうかを検討した。観察者がターゲット(被観察者)の顔や動きのまねをしている条件、もしくはまねをしていない条件下で、ターゲットは、嘘または本当のこと(寄付をしたかどうかについて)を述べた。観察者は、ターゲットが本当のことを言っていると、どの程度思ったかを判断することにより直接的に、また、ターゲットの経験した感情に対するアセスメントにより間接的に嘘の検出が計測された。結果は、まねをしない観察者は、まねをした観察者よりも、より正確にターゲットの正直さを判断できるし、ターゲットの経験している感情をより正確にあてることができることを示すものであった。この結果は、まねすることが、他者の感情のより良い理解を促進するというこれまでの知見に反するものである。虚偽のメッセージの場合には、まねすることは、このような感情理解を妨げると考えられる。