池田 彩夏 (D2)

タイトル:
日本人養育者のInfant-Directed Speechにおける格助詞脱落


要旨

 乳幼児に向けて話しかける時,養育者は大人向けの話し方とは異なったInfant-Directed Speech(IDS)と呼ばれる話し方をする.IDSの特徴の1つに,日本語では格助詞を省略して話す傾向があることが指摘されているが,それを示すデータは養育者数名の発話記録のみで極めて少なく,養育者毎の個人差も十分検討されていないため,その指摘が日本人養育者の一般的傾向であるかどうかを判断できない状態にある.そこで本研究では,1-3歳の乳幼児を持つ養育者52人を対象に,構造化された発話収録場面を設定し,IDS場面とAdult-Directed Speech (ADS) 場面での発話を比較することにより,日本語IDSにおける格助詞の包括的な使用実態を明らかにすることを試みた. 本発表では,上記検討の報告に加え,余力があれば,他の研究課題の進捗報告を行う.