山本 寛樹 (D2)

タイトル:
一人称カメラを用いて母子間コミュニケーションの距離を測る


要旨

 近年、頭部カメラ・メガネ型視線計測装置を用いて、日常的なコミュニケーション環境を乳児の一人称視点から計測しようという試みが増えてきている。しかし、装着装置を乳児が取り外さない保障はなく、安全・運用面において長期間の安定したデータ収集は難しい。本研究では、日常的な母子コミュニケーション環境を縦断的に記録するという目標の一環として、アイコンタクト場面における母子間距離を、母親に装着したメガネ型視線計測装置の映像を利用して計測する手法を報告する。一人称視点における対象の大きさは観察点と対象との距離を反映することから、母親視点における乳児の顔の大きさを計測することで、母子間距離の代替指標とした。画像処理・母親の視線情報を利用して、ほとんどのアイコンタクト場面での母子間距離を計測することができた。本手法によって、距離による母子コミュニケーション行動の違いや、その発達変化を計測することが可能になる。発表では、本手法を用いた今後の研究計画についても議論したい。