周 悦 (D2)

タイトル:
The song or the singing? Infants’response to emotionally expressive songs


要旨

 人類のあらゆる文化で音楽活動が行われている。我々が音楽に魅了される大きな原因は音楽から何らかの情動を体験できることであると考えられている(Juslin & Sloboda, 2008)。発達初期の乳児にとって最も魅力的な音楽的(musical)存在は対乳児発話や歌唱(infant-directed speech/singing: ID speech/singing)であると示されてきた(e.g. Cooper & Aslin, 1990; Trainor, 1996)。対乳児発話に関してはこれまで数多くの研究がなされてきたが,対乳児の歌唱についてはまだ十分研究されていない。本研究の目的は,前言語期の乳児においてより情動が伝達されるのは,歌そのものなのか,歌い方なのかを調べることである。方法としては,同じ歌の情動的な声で歌われたものと中性的な声で歌われたものに対する乳児の反応を比較する。また,乳児の反応は月齢による差異があるかどうかを検討するために,6-,9,-12か月児で比較する。本研究会は現段階の結果を報告しながら,発達初期の乳児にとって「歌」は何かを議論してみたい。