朴 允姫 (D3)
タイトル:Does concrete mental state language about emotions (cMSLe) influence to children’s cognitive process of emotional information ?
要旨
養育者と子どもの間で行われる情動に関する対話は、子どもの情動理解の発達において重要な役割をすると言われている。特に、養育者が他者の情動を子どもにより具体的に説明する方法は、情動理解課題における子どものスコアと肯定的な相関があり、さらにより幼い時期の子どもの情感的行動とも相関する。多くの先行研究は、情動に関する具体的な心的状態語(情動が生じた理由やその結果なのを提供すること)により子どもが情動的状況と情動反応の関係を学習したり、情動的情報をシミュレーションしたりすることにより、情動理解能力が促進すると主張する。さらに、知覚的レベルにおいても、情動的刺激はどの言語的情報と連合するのかにより知覚される水準が異なると思われる。しかし、このような情動知覚のレベルでの研究はまだ行われていないため、情動に対する具体的な説明の提供により視覚的情動刺激(顔の表情)に対する子どもの知覚がどのように変化するのかを検討する必要がある。本研究会では、情動に関する具体的な説明が子どもの情動知覚に与える影響を調べた二つの実験を紹介する。実験1は、3才児と5才児を対象にし、情動に関する具体的な心的状態語と表情写真を連合させるプライミング課題を行い、表情写真の情動知覚の変化を調べた。実験2では、5才児を対象にし、情動に関する具体的な心的状態語と連合された人の情動をどのくらい記憶するのかを調べた。 |