No.1064-2(2021/7/15)
Linking animal personality to problem-solving performance in urban common brushtail possums.
(都市におけるフクロギツネから動物の性格と問題解決パフォーマンスの関連付け)
Wat, K. K. Y., Banks, P. B., McArthur, C. (2020).
Animal Behaviour, 162, 35-45.
問題解決のパフォーマンスは個体ごとに異なり、動物の性格は、個体が自身の環境をどのように認識し、相互作用を受けるかに影響を与え、個体間の差異を説明するのに有意義な可能性が示唆される。近接因子(行動の多様性、持続性、選択性および経験)は、解析性能にも影響を与える行動メカニズムを提供する。 私たちの目的は、野生捕獲されたフクロギツネ(Trichosurus vulpecula)における人格と問題解決のパフォーマンスとの関連を評価し、学習能力を評価することであった。我々は、フクロギツネがescape boxの課題をどのように解決するか調査を行った。課題は、ドアを押す(平易)または引っ張る(困難)ことで課題を解決することができた。結果、性格特性が問題解決に影響を与えることが示唆された。探索的な個体は、課題に関係なく最初の試験に成功する可能性が高かったが、特に探索的な個体のみ困難な課題(引っ張る)を解決する確率が高かった。課題の種類に関係なく、より活発で警戒心の強い個体は、成功する確率が高かった。問題解決テスト中に示されたメカニズム行動では、より多くの時間を費やす個体(根気強い個体)は、実験箱の動かない箇所に注目したため、平易な課題において、成功する可能性がより低かった。対照的に、永続的な個体は困難な作業で成功する可能性が高かった。フクロギツネは有効性を学び、2回目の試行において、課題の解決時間は大幅に短縮された。本研究は、生態学的に関連する試験を用いて、自由範囲の有袋類における問題解決の最初の証明とされる。よって、将来、行動共通点の比較と、問題解決能力における収束的な意志のテストが可能となり、経験と学習を通じてすべてのフクロギツネによる問題解決の急速な改善が、都市環境における人工的または新規な環境への適応に関する理解の一助となることが考えられる。 発表者:前島