No.137-2(2000/10/26)

Prehension in infant capuchins(Cebus apella) from six weeks to twenty-four weeks: Video analysis of form and symmetry.
(6〜24週齢のフサオマキザル(Cebus apella)乳児における把握行動:型と対称性のビデオ分析)

Adams-Curtis,L.,Fragaszy,D.,& England,N.
American Journal of Primatology, 2000, 52, 55-60.

社会集団内で母親と共にくらしている2匹の乳児を、生後5週から24週まで週に一度ずつビデオに録画して、自発的な把握行動を分析した。把握行動は左右対称であった。両手の把握は片手把握と同じ週齢で出現したが、片手による把握のほうが優勢であった。両手把握のほとんどは、2つの手が同じ行動をしていたが、両手把握の出現のときから補足的な行動が見られた。舌出しは、正確な握り(grasping)と同様、腕伸ばし(reach)がないときにはほとんど見られなかった。ヒトと同じように、フサオマキザルにおける初期の把握行動は、視覚や口による探索と統合された、探索活動の基盤に基づいて組織化されている。フサオマキザルにおける研究から、物体操作の発達研究にとって有用なモデルが得られる。

(桑畑)