No.180-1(2001/11/01)

Young children's awareness of socially mediated rejection of food. Why is food dropped at the table "dirty"?

( 食べ物の社会的仲介による拒絶に対する幼児の認識.なぜ机の上に落ちた食べ物は"汚い"のか?)

Toyama, N.
Cognitive Development, 2000, 15, 523-541.

我々は食事時に食べ物を落とすことがある。一度落としたら、物質的な意味だけでなく、社会的な意味でもその食べ物は汚く、あるいは食べられなくなる。汚染された物質に接触しなくても、我々は高級レストランにおいてなど、いくつかの社会的な文脈では、落ちた食べ物を食べないかもしれない。ここではこのような事柄を"社会的介入による拒絶"として扱った。実験1では、日本人幼児の家と学校での食事時間を観察した。2歳児でも落とした食べ物に対して家と学校とでは異なった反応を示した。実験2では、4歳児と6歳児と大人に対して実験上の数種の文脈を提示し、物語の登場人物が落ちた食べ物を食べることに対する肉体面での反応と感情面での反応を予測させた。幼稚園児は、社会的に拒否された食べ物よりも物質的に汚染された食べ物の方が、身体に害を及ぼすことを認識していた。

(黒島)