No.184-1(2001/12/06)

Intersensory redundancy and 7-month-old infants' memory for arbitrary syllable-object relations.

 

( 感覚間冗長性と7ヶ月児における恣意的な音節−対象物関係の記憶)

Gogate, L. J.,& Bahrick, L.E.
Infancy, 2001, 2, 219-231.

7ヶ月児が恣意的な音節−対象物関係を学習するには、時間的同調といった情報の冗長性が必要である(Gogate & Bahrick, 1998)。乳児は/a/と/i/という2種の音節の発声と、2つの運動している対象物との関係について、馴化時に時間的同調がある場合にのみ学習した。本論文では、2つの実験により、これらの関係についての乳児の記憶を調べた。実験1において乳児は、学習時に音声と対象物の運動とが時間的に同調している場合にのみ、音節−対象物関係を10分後にも覚えていた。実験2では7ヶ月児を、時間的同調を保っている状態で同じ音節−対象物対に馴化させて、4日後の記憶をテストした。ここでもやはり乳児は、時間的同調の条件下で学習し、もとの学習から4日の後にも音節−対象物関係記憶の出現を見せた。乳児が象徴能力の発達より先に、大人が発する音声と身振りのコミュニケーションにおける情報の冗長性を知覚することで、語−対象物関係を学習し記憶するという見解に、今回の結果は一致している。
(石田)