No.320-1(2004/12/2)

Is There Any "Free" Choice? : Self and Dissonance in Two Cultures

(「自由な」選択ってあるの?2つの文化における、自己と認知的不協和)

Kitayama S, Snibbe AC, Markus HR, and Suzuki T(2004)
Psychological Science, 15:527-534

人は選択を行う際に、文化的に許容されている「自己」というもの(北米における能力や効力、日本における他者からのポジティブな評価)に関して生じる不安感を消し去るために、自分の選択を正当化するという仮説への支持を、4つの実験によって示す。日本人の参加者は、標準的な認知的不協和の自由選択パラダイムにおいて、自分と関係のある他者がプライムされたとき(質問紙によって:実験1-3、もしくは、偶発的にスキマティックな顔にさらされることによって:実験4)においてのみ自分の選択を正当化した(自分が選択したものの好ましさをアップさせて、選択しなかったものの好ましさを下げる)。これらのsocial cueがない場合では、日本人の参加者は認知的不協和を示さなかった。一方、ヨーロピアンアメリカンの参加者は、social cueのマニュピレーションのあるなしに関わらず、自分の選択を正当化した。認知的不協和理論へのimplicationに関して論じる。

発表者:鳥山