No.353-1(2005/9/8)
Recognition of partially concealed leopards by wild bonnet macaques (Macaca radiata): The role of the spotted coat
(野生ボンネットマカクによる部分的に隠れたヒョウの認識:斑点のある毛皮の役割)
Coss RG, Ramakrishman U, Schank J
Behavioural Processes, 2005, 68: 145-163野生のボンネットマカク(Macaca radiata) は、形状と、黄色い毛皮の斑点に基づいてヒョウ(Panthera pardus)の模型を認識することが示されてきた。本研究では、斑点のある、または濃い黒色の模型が椊生によって部分的に隠されているとき、ボンネットマカクがヒョウを認識できるかどうか調べた。南インドの2つの生息場所(ムドゥマライ野生保護区とカラカド-ムンダントゥライ・タイガー保護区)にいる7つの群れを調査した。25m離れた場所から、採食場にいる個体に、2種類のヒョウの模型の前半分と後ろ半分を椊生の陰から呈示した。警戒音声を聞く前から模型のほうを向いていた個体についてのみ、逃避反応の時間と頻度をビデオから分析した。ボンネットマカクは、斑点のある後ろ半分や、黒い模型の前半分を見たあとよりも、斑点のある模型の前半分を見たあとのほうが、より速い反応時間とより多くの逃避頻度を示した。黒い模型の後ろ半分は完全に無視された。また、人工神経ネットワークモデルにより、ヒョウの顔認識の知覚的側面と、斑点のカモフラージュとしての役割を解析したところ、斑点がネットワーク訓練によるパターン認識プロセスに統合されたとき、それらの斑点はヒョウの顔認識に貢献し、ネットワークが斑点の訓練を受けないときには、斑点は顔の特徴を混乱させるカモフラージュとして働かないことが示唆された。
発表者:堤