No.364-2(2005/12/8)

Response to perceived predation threat in fiddler crabs: trust thy neighbor as thyself?

(シオマネキにおける感知された捕食の危険に対する反応: 隣人を自分自身と同じくらい信用するか?)

Wong BBM, Bibeau C, Bishop KA, and Rosenthal GG (2005)
Behavioral Ecology and Sociobiology, 58:345-350.

獲物となる動物が捕食の危険に対してリスクに敏感に反応しなければならないときに、情報が必要となる。個体がこの情報を得るひとつの方法は、捕食者から影響を受けた、脅威が引き起こした同種他個体の行動を通してである。隠れ家を探す種であるsandシオマネキ(Uca pugilator)で我々はそのような可能性を検証した。カニは擬似的な捕食の脅威(動くシリンダー)あるいは近くの仲間に脅威が引き起こした反応を提示された。シオマネキは仲間の反応を引き起こした刺激に自分自身はさらされていないときでも、仲間の逃走に反応した。また、これらのカニが示したより広い行動の範囲(反応なし、フリーズ、巣穴の入り口に走り寄る、巣穴に逃げ込む)から以下のことが示唆される。‘脅かされていないカニ’は①直接脅かされたカニとは違ったふうに捕食の危険を知覚していたかつ/あるいは②上確実性に直面して、さらなる情報を得ることができる行動を行った。同種個体の行動はカニが隠れていた持続時間にも影響しており、捕食の危険と仲間の逃走の両方を見た個体はより長く隠れていた。我々の結果は、同種個体によってもたらされた手がかりは隠れ家を探す獲物となる動物の対捕食者反応を導く上で重要な役割を果たすことを示唆する。

発表者:森本