No.376-2(2006/3/23)
Do honeybees detect colour targets using serial or parallel visual search?
(ミツバチは系列・並列探索を用いて色つき目標刺激を検出するか?)
Spaethe J, Tautz J, & Chittka L. (2006)
The Journal of Experimental Biology, 209, 987-993.ヒトにおいて視覚探索課題は一般に、ある特定の課題においてどのように視覚的注意が割り当てられるか、ある特定のオブジェクト(「目標刺激」)を数や複雑さの変化する他のオブジェクト群(「妨害刺激《)の中からどのように探索するのかという問題を扱うのに用いられる。本研究では視覚探索実験の方法論をハチに適用し、さまざまな数の異なる色の円(妨害刺激)中のある色つき円(目標刺激)を選択することを訓練した。正反応率と判断時間を妨害刺激の数と色の関数として測定した。全ての色の組み合わせにおいて、妨害刺激数の増加にともなって判断時間は増加し正反応率は減少したのに対して、より多くの目標刺激が存在する条件でパフォーマンスは向上することが分かった。これらの結果は、刺激が逐次的に精査されるときの霊長類においてみられる系列探索の特徴である。妨害刺激数毎の判断時間(と正反応率)の傾きがほぼゼロになる「ポップアウト《効果を特徴とする並列探索についての証拠はハチでは得られなかった。また、ハチが黄色の妨害刺激中から青色の目標刺激を探索するときの判断時間と誤反応数は、反対の色の組み合わせのときと比べて有意に増加するという、ヒトでは探索非対称性として知られる現象がみられた。
発表者:酒井