No.403-1(2006/11/2)

The effects of energy reserves and dominance on the use of social-foraging strategies in the house sparrow

(エネルギー備蓄と順位がイエスズメの社会的採餌戦略に及ぼす影響)

Lendvai AZ, Liker A & Barta Z.(2006)
Animal Behaviour, 72,747-452.

社会的動物において、順位はしばしば個体の行動に影響を及ぼすが、多くの場合、順位がどのように他の表現型特性の効果を変動させるのかは知られていない。我々は、社会的順位とエネルギー備蓄が飼育イエスズメ(Passer domesticus)の社会的採餌戦略に及ぼす相互効果を調べた。我々は、実験的な風露出を用いて優位個体と劣位個体の一夜のエネルギー消費を操作し た。この実験的操作に対し、優位個体はたかり行動(他者の見つけたエサの探求)を有意に多く用いた一方、劣位個体のたかり行動は、緩やかまたは非有意にしか増加しなかった。たかり行動頻度の個体変動は、優位個体に比べて劣位個体でより高く、この順位群間の差は、実験的操作によって影響を受けなかった。この 結果は、異なる社会的順位に属する個体は、異なる戦略を用いることを示唆する:エネルギー的に厳しい状況に対処するためには、優位個体はたかり行動への選 好をより増加させるように一様に行動するのに対し、劣位個体は戦略を変えずにたかり行動を便宜的に用いることに頼るのかもしれない。

発表者:堤