No.406-1(2006/11/30)
The role of reference points in ordinal numerical comparisons by rhesus macaques (Macaca mulatta)
(アカゲザル(Macaca mulatta)による数の順序比較における参照点の役割)
Brannon EM, Cantlon JF, & Terrace HS.(2006)
Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, ,32,120-134.アカゲザルが持っている数の順序に関する知識について調べるために実験を2つ行った.実験1では,下降系列(4→3→2→1)で反応するように訓練されたサルは,下降するという規則を5〜9といった新奇な値には般化しないが,上昇系列で訓練されたサルでは般化が生じる(E. M. Brannon & H. S. Terrace, 2000) という知見が再現された.実験2では,下降系列で般化が生じないのは,訓練系列の方向によるものなのか,それとも訓練系列で用いられた個々の値によるものなのかについて,検討した.結果から,サルの数的比較過程を特徴づける3つの要因が示唆された.すなわち,ウェーバーの法則,順序方向についての知識,テスト対 (つい) に含まれるそれぞれの値と訓練系列の最初の値によって確立された参照点との比較の3つである.
発表者:大芝