No.415-2(2007/2/15)
Disconnect in concept learning by rhesus monkeys (Macaca mulatta): Judgment of relations and relations-between-relations.
(アカゲザルの概念学習における断絶 (disconnect): 関係および関係間の関係の判断)
Flemming TM, Beran, MJ & Washburn DA (2007).
Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes ,33(1), 55-63.筆者らは,コンピュータ化されたリレーショナル見本合せ課題においてアカゲザル(Macaca mulatta)が同異概念の使用を獲得する際に,エントロピー,弁別手がかり,象徴的な知識が果す役割について調べた.2選択弁別パラダイムで刺激ペア間の関係を知覚するのに繰り返し失敗した後,サルたちは急速に,複数の8要素配列を相互に弁別できるようになった.しかしながらその後,より小さい配列を用いて行ったテストから,エントロピーは,概念の初期の獲得には重要ではあるものの,被験体が依拠している変数ではないということが示唆された.サルたちは手がかりがあるときに対応する関係のペアを選ぶだけではなく,彼らはまた,関係するペアが存在するときに手がかりそのものを選ぶ―要するに,それらの関係にラベル付けを行っているのである.しかしながらその後,関係間の関係の判断に失敗したことから,おそらく質的に異なった認知コンポーネントが存在し,そのせいでサルたちは類推に基いて行動することを妨げられているということが示唆される.
発表者:大芝