No.417-2(2007/3/1)

Pianists duet better when they play with themselves: On the possible role of action simulation in synchronization.

(ピアニストは自分自身との方がうまくデュエット(連弾)できる:同調する際行動のシミュレーションが果たす役割の可能性)

Keller PE, Knoblich G & Repp BH.(2007)
Consciousness and Cognition ,16,102-111.

アンサンブルをする音楽家達は情感豊かに演奏するあまり、タイミングをずらしたくなるにもかかわらず、他者と同調して演奏を行う。私達は、こうした同調性はそれぞれの演奏者が、同時に行っている他の演奏者の演奏を内的にシミュレートすることによって獲得されると仮定する。それゆえ、音楽家達は他者の演奏を録音したものよりも自分自身の過去の演奏を録音したものの方がよりうまくデュエット(連弾)できると考える。私達は、ピアニストにいくつかの二重奏の一部を録音してもらい、後にそれに合わせて相補的なパートを演奏してもらった。ピアニストはまた、自分自身の録音を同定するよう求められた。彼らは他のピアニストの演奏よりも自分自身の演奏を録音したものの方がうまくデュエットでき、自分の演奏した録音も認識することができた。さらに、同調の正確さと認識の正確さには相関が見られた:つまり自分の録音と比較的正確にデュエットできたピアニストは、自分の演奏をより認識することができた。このことから、行動のシミュレーションは同調性と自己認識の両方の基礎となっているのかもしれない。

発表者:服部