No.471-1(2008/05/01)
Episodic-like memory in rats: Is it based on when or how long ago?
(ラットにおけるエピソード記憶的記憶−それは「いつ」に基づくのか、「どれだけ以前か」に基づくのか?)
Roberts WA, Feeney MC, MacPherson K, Petter M, McMillan N & Musolino E (2008)
Science320: 113-115最近の研究で、ラットは、放射状迷路に置かれた好みの餌に対するエピソード記憶的記憶−あるいはいつ、どこに、何を、に関する記憶−を示すことが示唆されている。いつ重要な事象が生起したかに関する記憶は、過去の一時点に対して心的時間旅行を行えることを示唆するものの、別の解釈として、ラットは餌がどれくらい以前に見つかったのかを憶えているに過ぎないという可能性が考えられる。過去に出くわした食物に関する記憶を3群のラットでテストした。各群では使える手がかりが、「いつ」のみ、「どれくらい前」のみ、その両方に制限されていた。実験の結果、どれくらい前という手がかりだけが使用可能だった。この結果は、ラットのエピソード記憶的記憶はヒトのエピソード記憶と質的に異なっていることを示唆する。
発表者:藤田