No.526-1(2009/06/25)
Cognitive gains in 7-month-old bilingual infants.
(7ヶ月のバイリンガル児における認知的利益)
Kovacs AM & Mehler J (2009)
PNAS, 106: 6556-6560.2つの言語の入力にさらされた子どもは、一般的に明らかな困難さを示さずに2つの言語を習得する。しかしながら、前言語期の乳児がいかにして一致しない入力に対処し、バイリンガリズムがいかに初期の発達に影響を与えるかは明瞭でない。われわれは、3つのアイトラッキング研究において、誕生から2つの言語で育った7ヶ月の乳児が、マッチされたモノリンガル児と比較して、向上した認知的制御能力を示すことを証明する。モノリンガル児とバイリンガル児の双方が、スクリーンの1つのサイドに報酬がでることを期待させる言語あるいは視覚的な手がかりに反応することを学習したのに対して、その手がかりが別のサイドに報酬があることを示し始めると、バイリンガル児だけが自身の予期を向けなおすことに成功した。バイリンガルの乳児はすばやく初めの位置への視線を抑制し、新しい反応を学習した。これらの発見は、話し始める以前から、2つの言語からの表象を処理することが、認知的制御システムの領域一般的な高まりにつながることを示している。
発表者:鹿子木