No.560-1(2010/4/1)
Haptic perception after a change in hand size.
(手のサイズの変化後の触知覚)
Brunoa N & Bertaminib M (in press)
Neuropsychologia.私たちが手(触覚)を用いて能動的に探索を行うとき、脳内ではさまざまな感覚シグナルを1つの知覚表象として統合されなければならない。おそらく、その重要な役割は身体の内部モデルによって担われている。しかし、このようなモデルの形成や保持に関わるプロセスはまだよくわかっていない。本研究では、自らの手の内部モデルを変化させるために多感覚的錯覚を用いた。この錯覚によって、実際の自分の手よりも小さい、または大きいフェイクハンドを自分の手だと思わせた。このような一時的な錯覚を引き起こした後では、物体の大きさの触知覚に変化がみられた。この結果、以下の2点が明らかとなった。すなわち、脳は手の内部モデルを用いて触覚的シグナルを素早く再キャリブレートすること、このモデルは単一の視覚もしくは記憶ベースというよりも、多感覚的に構築されているということである。
発表者:吉田