No.705-2(2013/5/30)

The genetic origin and history of speed in the Thoroughbred racehorse

(サラブレッド競走馬におけるスピードの遺伝的起源と歴史)


Bower MA, McGivney BA, Campana MG, Gu J, Andersson LS, Barrett E, Davis CR, Mikko S, Stock F, Voronkova V, Bradley DG, Fahey AG, Lindgren G, MacHugh DE, Sulimova G & Hill EW (2012)
Nature Communications,3: 643.

 スピードに対する選抜育種の結果、短距離競走に最も適したサラブレッド集団ではミオスタチン遺伝子(MSTN)におけるC変異(g. 66493737C/T)の頻度が著しく高くなっている。我々は、ユーラシアと北アメリカの22集団由来のウマ593頭、歴史的に重要なサラブレッド牡馬12頭(1764年〜1930年生まれ)の博物館標本、成績優秀な現代のサラブレッド330頭、他のウマ科動物3種の42サンプルを用いて、分子的アプローチと家系的アプローチを組み合わせた解析をおこなった。その結果、Tアレルが祖先型であり、サラブレッドの草創期において、イギリス在来の牝馬からCアレルの導入が1回起こったことがわかった。我々はさらに、Cアレルは18、19世紀の著名な競走馬では稀であったが、現代で最も影響力のある牡馬であるNorthern Dancer(1961年生まれ)の父である、Nearctic(1954年生まれ)によって近年急増したことを示す。  発表者:堀