No.808-2(2015/7/16)
Salient eyes deter conspecific nest intruders in wild jackdaws (Corvus monedula)
(野生のニシコクマルガラスでは、目立つ目が同種個体が巣に入るのを阻止する)
Davidson GL, Clayton NS & Thornton A (2014)
Biology Letters, 10: 20131077.動物は、目そのものや目と似た形に出くわしたとき、恐れる反応を示すときがある。集団メンバーの衝突を避ける際に哺乳類では視線を避ける行動が報告されているが、同種間のインタラクションにおける目の色の重要性は霊長類以外の種ではまだ調べられていない。ニシコクマルガラスの虹彩は白色で、彼らの黒い羽根の中で際立って目立ち、彼らが巣を作る洞窟の外からでも見ることができる。ニシコクマルガラスは、巣の場所を争うので、彼らの目立つ目は巣がすでに他個体のものであるという警告信号として機能しており、他個体が立ち入るのを阻止しているのかもしれない。本研究では、巣箱に白い目だけ、白い目のついたニシコクマルガラスの写真、目を塗りつぶしたニシコクマルガラスの写真を呈示した際の巣の場所を求める他個体の行動を比較することで、ニシコクマルガラスの白い虹彩は、他の同種個体を、立ち入らせないものとして機能しているのではないかという仮説を検証した。結果、白い目のついたニシコクマルガラスの顔が、同種個体が巣箱に近づこうとするのを最も効果的に阻止した。一方で“白い目付きのニシコクマルガラスの頭”と“白い目だけ”の条件では、ニシコクマルガラスが刺激に近づいて過ごす時間が短くなった。これらの結果から、ニシコクマルガラスにおける白い目は、同種個体がすでに住み着いている巣に近づこうとするのを防ぐ役割をしていることを示唆する。発表者: 岸本