No.809-1(2015/7/23)

Reference genome of wild goat (Capra aegagrus) and sequencing of goat breeds provide insight into genic basis of goat domestication

(ノヤギ(Capra aegagrus)のリファレンスゲノムとヤギ品種の配列決定によって、ヤギの家畜化の遺伝的基礎を理解する手がかりが得られる)


Dong Y, Zhang X, Xie M, Arefnezhad B, Wang Z, Wang W, Feng S, Huang G, Guan, R, Shen W, Bunch R, McCulloch R, Li Q, Li B, Zhang G, Xu X, Kijas JW, Salekdeh GH, Wang W & Jiang Y (2015)
IBMC Genomics, 16:431.

 背景:ヤギ(Capra hircus)は、野生の祖先種であるノヤギ(Capra aegagrus)から家畜化されて以来、農業生産において重要な役割を果たすために選択を受けてきた。家畜化の過程で起こった遺伝的な変化を詳しく理解することは、進化ゲノミクスの重要な目標である。結果:我々はヤギの家畜化と品種の形成によって起こったゲノム上の変化を調べるために、ノヤギのリファレンスゲノムの構築と、代表的な家畜ヤギ品種の配列決定をおこなった。家畜ヤギにおいては毛色に関連した13の遺伝子のコピー数変異が見つかった。その中のASIP遺伝子の重複は、家畜ヤギにおける明るい毛色の発生に寄与していると考えられる。急速に進化したと考えられる遺伝子の分析をおこなったところ、行動特性、免疫反応、生産形質に関連する遺伝子に変化が起こったことがわかった。結論:ノヤギと家畜ヤギとでコピー数変異と急速に進化した遺伝子を比較したことによって、動物の家畜化の遺伝的メカニズムの一端が明らかになった。本発見は将来のヤギの交配にも有用であるだろう。発表者: 堀