No.846-2(2016/5/12)

Functionally relevant responses to human facial expressions of emotion in the domestic horse (Equus caballus).

(ボノボは同種の感情に対して注意的バイアスを示す)


Smith, A. V., Proops, L., Grounds, K., Wathan, J., & McComb, K. (2016).
Biology Letters, 12: 20150907.

ヒト以外の動物が情動を含むヒトのシグナルを認識できるかどうかは科学的にも実践的にも重要な問題であり、特に家畜動物で重要である。本研究では、ウマが写真に写ったヒトのポジティブな表情(幸福)とネガティブな表情(怒り)を自発的に弁別することができる最初の証拠を示す。怒り顔を呈示したとき、ウマは刺激の機能的な意味を理解していることを示す反応を示した。ウマはそれらの写真に対して左視線バイアス(一般的にネガティブと知覚される刺激に関連した左右差とされる)を示し、心拍(HR)もより早く増加した。ヒトの情動に対する左右差のある反応はこれまでにはイヌだけで報告されていたものであり、他種の表情が心拍にもたらす効果は他の研究では示されていない。これらの発見は種間コミュニケーションについての知見をもたらし、種を超えた情動の表出と知覚の一般性と適応についての興味深い問題を提起する。 発表者:堀