No.97-2(1999/12/09)


Use experimenter-given manual and facial cues by gorillas (Gorilla gorilla) in an object-choice task.
(物体選択課題におけるゴリラ(Gorilla gorilla)の実験者の示す手や顔を使った手がかりの利用)

Peignot, P., & Anderson, J. R.
Journal of Comparative Psychology , 1999, 113, 253-260.

飼育下のローランドゴリラ(Gorilla gorilla)は物体選択場面において、実験者の示す手や顔を使った手がかりの利用の能力について調べられた。成績のレベルは、実験者が餌の入っている箱をタップするか、あるいは指示したとき、高かった。実験者が指先のジェスチャーをしたり、目で凝視する代わりに頭で正解の物体を示したときにも成績はよかった。反対に、実験者の目線方向だけが手がかりとして与えられているとき、ゴリラはほとんど課題に正解しなかった。1頭のゴリラで繰り返し、相互にアイコンタクトを取ろうとしたができなかった。ゴリラは直接的なアイコンタクトを嫌うために、目線だけを手がかりにとして使用できないのかもしれない。この結果は、意図性の発見において大型類人猿のなかでも異なるが、このような課題における成績は過去経験や気質のような要因によって影響を受けているという解釈もできる。

(黒島)