No.971-2(2019/2/21)
Gaze following in an asocial reptile (Eublepharis macularius).
(非社交的な爬虫類(Eublepharis macularius)における視線追従)
Simpson J, O'Hara SJ. (2018).
Animal Cognition, 22(2): 145-152.
視線追従は他者の視線からの情報を利用する能力である。社会的な文脈において、または、興味深い外部刺激に対する反射的な反応としてよく見られる。社会的な種は他者の視線の標的に注意することで、他者の将来的な意図について利用可能な知識を知ることができる。しかし、より基礎的な場面でさえ、例えば、採餌効率をより促進したり捕食者の早期発見に繋がったりする場面などでも、他者の視線に敏感であることは有益となりうる。多くの社会的な種において、視線への感受性が広く研究されてきた一方で、非社交的な種における視線追従の可能性については今のところほとんど知られていない。本研究では、非社交的な爬虫類、ヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macularius)が、障壁のそばにいる同種の視線に追従して注意の視覚指示器を確実に使えるかを調べた。3つの条件を設定し、被験体(N=6)は、2つの統制条件と比較して実験条件において、遮蔽レンズに照射されたレーザー刺激を見上げる同種に対して、より反応した。本研究の発見は、典型的には非社交的とカテゴライズされている爬虫類における視線追従能力を示す証拠である。さらに本研究は、これまで考えられてきたよりも広い分類群に分布しているであろう、視線追従や他の認知行動の起源を示している社会認知の比較研究の発展を支持する。 発表者:Bourgeois