No.979-2(2019/4/25)
Gaze cues of isolated eyes facilitate the encoding and further processing of objects in 4-month-old infants.
(顔から独立した目だけによる視線キューイングは4カ月児の物体情報処理を促進する)
Wahl, S., Marinović, V., & Träuble, B. (2019).
Developmental cognitive neuroscience, 36, 100621.
本研究では、顔から独立した目だけによる視線キューイングによる物体情報処理の促進効果を、行動レベル、脳活動レベルの両面から検討した。4カ月児は、目だけの刺激が画面左右の物体のどちらかに視線を向ける場面を観察した。その後、視線が向いていた物体と視線が向いていなかった物体を呈示した。実験1では、その際の注視行動をアイトラッキングにより計測した。乳児は、視線が向いていなかった物体に対して新奇選好を示し、長く注視していた。実験2では、視線が物体に向いたとき、物体の反対に視線が向いたときの脳波反応を計測した。また、視線が向いていた物体がその後呈示されたときと、視線が向いていなかった物体が呈示されたときの脳波反応も計測された。その結果、情報処理に関連する後期成分が、視線が物体に向いたときに増加していた。また、注意の配分に関連する陰性成分が、視線が向いていなかった物体が呈示されたときに振幅が増加していた。結果から、目だけの刺激によっても、物体の情報処理を促進していることが示唆された。 発表者:石川