No.980-2(2019/5/9)
Spatial representations of the viewer’s surroundings
(視聴者の周囲の空間表象)
Shioiri S, Kobayashi M, Matsumiya K & Kuriki I (2018)
Scientific reports, 8(1), 7171.
視野の外部を含む周囲の空間表象は、三次元空間を移動するうえで極めて重要である。本研究では、そのような空間表象を獲得するために、360°の角度をカバーするような、異なる視点からの視覚入力を統合するような学習プロセスが存在すると予測した。本研究では、参加者の周囲の6つのディスプレイに配置されたレイアウトについて、繰り返し使用されたレイアウトの視覚探索時間が短くなる(文脈手がかり効果)という、レイアウトの学習効果を報告する。この学習効果は、ターゲットのあるディスプレイへの到達時間だけでなく、ディスプレイ内でのターゲットへの到達時間に関しても観察され、ディスプレイ間の刺激要素の空間的配置に関する潜在的な学習効果を示す。また、120°離れたディスプレイ上のターゲットとレイアウトの間の学習効果も観察された。この効果は、視野を遠く離れた視覚情報をカバーする表象の基盤となっているはずだ。 発表者:山本