Representational and executive selection resources in ' theory of mind': Evidence from compromised belief-desire reasoning in old age
German, T. P., & Hehman, J. A. (in press)
Cognition

要約

誤信念課題の成功には、心的状態を表象する表象能力と社会的エージェントの行動の説明と予測が必要な課題を正確に行うための選択実行過程の両者が必要である。ある母集団における誤信念課題の成績の低下は、上記の2つのシステムの一方、もしくは、両者のシステムが機能していないことを反映するかもしれない。本研究では、若者と老人で行った誤信念課題から、上記の2過程モデルを支持する証拠を報告する。課題における推論の複雑さが一定の場合、どちらの群も、心的状態を含まない課題に比べ、心的状態の推論に特定の困難さを示さなかった。しかし、誤信念課題内の実行的遂行負荷(executive performance demand)を操作すると、両軍ともに課題の成績が低下した。さらに、実行負荷の効果は、老人において特に大きかった。回帰分析によると、誤信念課題の精度と反応時間を、処理速度と抑制の成績が最も説明した。これらの結果は、老人での誤信念課題の低下が、成績の低下は、表象システムの失敗というよりはむしろ、心的状態を表象する能力を補足する、実行選択技術が華麗に伴い低下した結果による可能性を主張する仮説と一致している。