Conceptual precursors to language
Hespos, S.J. & Spelke, E.S. (2004)
Nature, 430, 453-455


要約

ヒトの言語は音においても意味においてもそれぞれに違うため、子どもは自分の属する言語の使っている(音や意味の)差異を学習しなければならない。話し言葉を知覚するために学習は選択的になるのだが、初め、乳児はあらゆる言語で使われるほとんど全ての音の差異を感知している。この敏感性は、言語特有のメカニズムというよりも、聴覚システムの基本状態を反映したものである。ところが、乳児の外国語音への敏感性は、0歳の間に低下する。ここで我々が問いたいのは、言語の意味の学習にも同じようなプロセスがあるのか、ということである。英語が話されている環境の5ヶ月児が、韓国語にあり英語にないような概念の区別(二つの物体の合わさり方が「ぴったり」か「ゆるい」か)に敏感かどうかを調べた。乳児は、韓国語を話す大人と同じように、そして英語を話す大人とは違って、この区別を検知し、二つの物が合わさっていく動きを「ぴったり」と「ゆるい」とに区別した。この区別への乳児の敏感性は、人間以外の動物が物体の仕組みの表象するやり方とも通じている。したがって言語の発達は、普遍的に持っている音と意味の表象を言語の形式に結びつけていくことだと考えられる。。