古畑 尚樹
タイトル:乳児のバイオロジカルモーション知覚における動作理解
要旨
| バイオロジカルモーション(以下、BM)を用いた先行研究から、乳児が早くから他者の動きに感受性を持つことは知られているが、意図や感情、動作といった他者の動きから利用可能な情報の処理について詳細な発達過程はあまり明らかになっていなかった。本研究は、注視行動を行う正立のBMが、12ヶ月児の注視行動を喚起するという知見(Yoon & Johnson , 2009)を参考に、生後12ヶ月児(実験1)と9ヶ月児(実験2)を対象として同様の実験を行うことで、乳児のBM知覚における高次の情報処理の発達課程の検討を行った。その結果、12ヶ月児でのみ、BM知覚に基づいた人の注視行動への追従の可能性が見られた。実験3では、実映像を用いて、9ヶ月児と12ヶ月児の結果の差異がBM知覚に関連した能力の違いであるのかについて検証を行った。 |