Is the inversion effect in rhesus
monkeys face-specific?
(アカゲザルにおける倒立効果は顔特有のものか?)
Parr, L. A., Winslow, J. T., and Hopkins, W. D..
TAnimal Cognition, 1999, 2, 123-129.
この研究ではアカゲザル(Macacamulatta)における顔の倒立効果を調べた。顔刺激は、各10例の見知らぬアカゲザル・フサオマキザル・ヒトの顔の白黒写真で構成されていた。2つの非顔カテゴリーには、各10例の自動車の写真と抽象的な図形が含まれていた。すべての刺激はジョイスティックを用いた継時見本合わせの手続きの中で提示された。被験体は車とアカゲザル、フサオマキザルの顔に関しては、倒立よりも正立で提示された方が成績が良かったが、ヒトの顔と抽象図形に関してはそうではなかった。こうした結果は、見た経験が豊富な刺激カテゴリーに対してのみ倒立効果が見られたヒトやチンパンジーのデータとは矛盾している。アカゲザルで見られた倒立効果は顔特有のものとは言えず、この種においては、倒立効果を特殊な顔情報処理の目印として用いるべきではなかろう。