No.100-1(2000/1/13)

Gravity biases in a non-human primate?
(霊長類における重力バイアス?)

Hood, B. M., Hauser, M. D., Anderson, L., and Santos, L.
Developmental Science, 1999, 1, 2, 35-41.

就学前児童は、物体の軌道を分散させる明らかな物理的メカニズムが存在するときで さえ、落下する物体が直線的に移動すると予測する(Hood, 1995)。この研究はこうした予測がヒトに限られたものかを検証するために行われた 。新世界ザルであるワタボウシタマリンを、3つの受け皿のどれかに不透明なチュー ブで接続されている穴に物体が投下される課題でテストした。これはHood (1995)でもちいられた課題である。ヒトの子ども同様に、物体が投下された穴と直下 の受け皿が接続されていないときでさえ、最初の試行で物体が投下された穴の直下の 受け皿を探索する有意な傾向があった。これらの探索エラーは、双方の種が物体の軌 道の制約条件を理解するのに失敗するときに働く重力バイアスの存在を示唆している。 しかしながらヒトの子どもとはことなり、一般的にタマリンはテストの繰り返しやコ スト要因が導入されたときでさえ、エラーを堅持していたようである。

(佐藤)